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<緒言>
早期警報地図は明確に気候変動が世界的規模で生じていることを示している。先の2001年版において、IPCCは、観察機関を増やすによって、温暖化をはじめとする気候変動についての包括的情報を得ることができると結論をだした。
北米や欧州では科学が最も発達しているので(?)、警報の密度が濃いが、近年は科学者達は他の大陸についても気候変動の初期の影響の把握に大変な努力をしてきた。今回の更新版は、これらによる新たな知見を反映したものとなっている。
気候以外の要因が地図に示した諸現象に関係しているかもしれないが、科学者達は、温暖化ガスの大気中蓄積を制御しない限り、それらの問題も更に深刻化するものと予言している。
<各地域の総括>
◆ アジア
アジア地域は北極性気候から温帯、熱帯性気候帯にまたがり、30億人以上の人口を擁する。温暖化につれて、多くの山々の氷河が消え、永久凍土が溶け、また、北部の森林帯がさらに北上する可能性がある。中国やインドのように急速な人口増加と開発が、自然生態系に対する新たな脅威となるであろう。温暖化ガスの排出を抑制する政策をとらない限り、温暖化ガスの大気への放散の急速な増加を招くことになろう。
◆ アフリカ
アフリカの大陸は、キリマンジャロの雪および氷原から熱帯熱帯雨林、サハラ砂漠と、生態系の豊富なモザイクである。アフリカは一人当たりの化石燃料使用量は世界で最も少ないが、広範囲な貧困が変化への対応を困難とするという理由で、アフリカは気候変化に対して最も脆弱な大陸であるかもしれない。広がる疾病および溶ける山々の氷河、干ばつ頻発地域での気温上昇、海岸線での海面上昇および珊瑚の白化など、アフリカの気候変動の印は既に現れている。
◆ 欧州とロシア
欧州の自然生態系は一般に、地域的に分断され不安定であり、気候変動に非常に敏感である。欧州の大部分の地域では今世紀に世界の平均より高い気温上昇を経験しており、降雨量は一般に北部で増加し、南部で減少した。
温暖化は、アルプス山脈の氷河の広範囲の後退など山岳地方において明白で顕著である。植物や動物達も、生息地域を北方に移し、初春に行う活動の時期を変更するなど、明らかに気候の変化に対応している。しかしながら、ヨーロッパの分断された地形が、適応性の弱い生物種にとっては継続的な気候の温暖化に対応することを困難にするかもしれない。
これまで調査中だった地方からも近年多くの現実の温暖化現象が見出いだされているのは確かであるが、欧州(及び北米)は元々世界の他地域より多くの温暖化現象を把握していた。欧州における早期警報この高い密度は、環境変化の監視と調査のための気候データや包括的な活動に容易にアクセスすることができることがひとつの理由である。また、前世紀に中高緯度地方と他の地方との間で温暖化に大きな差があったことも理由である。さらには、欧州の工業国が温室効果ガス排出の減少のための強い処置を講ずる重要性を強調するためもあった。
◆ 北米
広大な北米大陸は、フロリダの豊かな亜熱帯気候から、北極地方の氷原やツンドラ地帯に及ぶ。これら地域にはその多様な生態系が危険にひんしている2つの豊かな工業国がある。しかも、アメリカ、カナダは、温暖化に影響する温室効果ガスの世界最大の排出国である。アラスカでの極地温暖化、フロリダの珊瑚礁白化、カリフォリニアの動物生息域の変化、モンタナでの氷河融解、チェサピーク湾での湿地喪失など、10種の温暖化現象のすべてが、この地域で見られる。
これまで調査中だった地方からも近年多くの現実の温暖化現象が見出いだされているのは確かであるが、北米は元々世界の他地域より多くの温暖化現象を把握していた。北米における早期警報のこの高い密度は、環境変化の監視と調査のための気候データや包括的な活動に容易にアクセスすることができることがひとつの理由である。また、前世紀に中高緯度地方と他の地方との間で温暖化に大きな差があったことも理由である。さらには、温室効果ガス排出の減少の対策を今とることが必要な北米の人々の関心を呼ぶためであった。
◆ 中米
中米の気候は、農業、観光産業および人間の健康への影響を通じて、地域の社会、経済に強い影響を与える。
中米の1997-98年のエルニーニョ現象は、将来の温暖化がもたらすであろう実例である。その年には、山火事が制御不能に燃え広がり、近隣の海では海水温の上昇が珊瑚の白化をもたらした。
ハリケーン、洪水および干ばつのような過酷な現象の頻度が将来更に増えれば、バナナのような重要な輸出作物に損害を与え、不安定な斜面の人間の生活を脅かし、マラリアやデング熱などの疾病の発生を促進するかもしれない。
◆ 南米
南米の人々の生活は、アンデスの丘陵地帯の放牧地からアマゾン熱帯雨林の植物と動物、ペルーの沖合の漁業まで
大陸の自然資源に強く依存している。この地域の自然生態系は、気候変動で予想される水資源に関する変化に特に弱い。頻繁なエルニーニョ現象と合わせて生じる地球温暖化は、より厳しい干ばつを引き起こすかもしれない。また、アンデスの氷河の融解は、高地に住む人々への水の供給を脅かすだろう。氷河の縮退や疾病を運ぶ蚊の生息地域の高地化など高地でも、また、海面上昇と珊瑚礁白化など海岸線でも、気候温暖化の兆候が既に現れている。
◆ オセアニア
オセアニア地域は、インドネシアの豊かな熱帯熱帯雨林からオーストラリア内陸の砂漠に及ぶ。気候は、海洋およびエルニーニョ現象の影響を強くうける。小さな島国国家および人口の多くが住む沿岸地帯は、海面上昇による海岸の冠水や浸食の増加に対して極めて脆弱である。近年の海水温度の上昇は、地域の美しい珊瑚礁の多くに損害を与え、世界で最も多様な生態系を脅かしている。
◆ 南極
南極大陸で温暖化の影響が最初に現れるのは、夏には気温が氷の融点に達する大陸の北部であろう。南極半島と呼ばれる大陸の最北端では、1945年以来の急速な温暖化傾向と一致して、近年いくつかの氷棚が崩壊している。科学者達は、その崩壊が 5.8m も海面を上昇させ得る、南極大陸の巨大な西部氷床の将来の変化について心配している。
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