ISO9001/ISO14001
コンサルティング・研修

   
論評
             論評    組織の、組織による、組織のための規格取組みのために 
このセクションでは、 MS 実務の視点主宰者が、ISOマネジメントシステム規格と認証制度を取巻く種々の問題を取上げ、
実務の視点に立っての見方、考え方を披露します。
目  次
ISO9001/14001
2015年版
誤訳・空論・珍説
ISO9001/14001
権威主義と
無批判・盲従
ISOマネジメントシステム
取組みの疑問と正解

組織の取組み
ISOマネジメントシステム
取組みの疑問と正解

規格理解・規格解釈
ISOマネジメントシステム
取組みの疑問と正解

認証制度と運営
ISOマネジメントシステム
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認証業界よもやま話
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マネジメントシステム
と 規格



 誤った認証制度運用      ―ISO9001/14001:
権威主義と無批判・盲従
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規格解釈と認証制度に巣くう権威主義と組織や認証関係者の無批判、盲従の実態を、実務の視点で暴きます。
   目 次
12. 審査での規格不適合を見落としに対する是正処置の実施は10年前の公約
11. 一連の品質不祥事に対して必要な認証機関の予防処置
10. JABが不正審査で認証授与した認証機関を認定停止処分に (新聞報道)
09. 品質データ 改ざん不祥事は認証機関の不祥事
08. 品質不祥事発生に対するJABや 認証機関の責任意識
07. 審査料金値引き規制、審査料金の消費者負担、審査簡易な新認証制度という妄想
06. ISO9001 2015年版でも品質マニュアル は必要 (その2. 審査指摘のさじ加減)
05. ISO9001 2015年版では品質マニュアル は必要(その1 規格解釈変更の無責任) 
04. 品質保証か顧客満足か
03. 驚愕の「顧客満足」新見解                                         
(H30.9.19
(H30.9.8)
(H30.8.15)
(H30.6.20)
(H30.6.7)
(H30.5.15)

(H29.9.25)
(H29.8.8)
(H29.6.30)
(改:H29.6.30)



 12.  審査での規格不適合を見落としに対する是正処置の実施は10年前の公約
  9月に入って また、(株)クボタの圧延用ロールの検査成績表に不良試験値を合格値に書き換える等の不正行為が新聞報道された。SO9001は製品検査のあり方を規定しており、これも先報*1と同様に認証審査が普通に行われておれば、その断片の規格規定への不適合を検出し、関連業務に蔓延る不正な業務実行たる不祥事を検出できたと考えることができる。
 
  しかし実際の審査では様々な規格不適合の見落としは起き得る。問題はJAB及び認証機関が、これだけの多数の品質不祥事が明らかになり、これら組織に対しても顧客満足の品質の製品を確実に出荷する能力のある組織であることを保証する登録証を発行しているという事実に無頓着でいることである。現状では、認証業界の人々が、認証審査の目的が規格不適合の検出であり、組織に規格不適合のないこと、従って、品質不祥事を起こす芽のないことを保証する登録証の発行という社会的に重要な役割を生業にしているということへの責任感と矜持を持っているようにはとても感じられない。
 
   ISO9001規格では「発生した不適合に対する是正処置」と呼び、これを繰り返すことにより狙いの結果を確実に出すことができる強靱な業務体質を目指すことを「継続的改善」と呼ぶ。認証機関の認定要件を定めたISO/IEC17021-1規格*2でも、認証機関は認証活動で発生した不適合に対して再発を防ぐ「是正処置」をとる必要が規定されている。認証機関は不祥事の原因の規格不適合を見落としたという認証活動の不適合に対して「是正処置」をとらなければならないし、様々な規格不適合見落としに「是正処置」を確実に行うことにより、不祥事の種々の原因の規格不適合を確実に摘発できる認証審査能力を身につけていくことができる。不適合見落としに対する「是正処置」と「予防処置」の実行は、10年前の不祥事多発による認証制度信頼性低下への認証業界の対応方針をとりまとめたH20.3.付けJAB文書「組織不祥事への認定・認証機関の対応について」にも書かれている。
 
  昨秋以来の一連の品質不祥事のJABリストにおける認証機関別不祥事発生状況からは少なくとも多数の不祥事に係わっている認証機関が見落とし判明の都度効果的な是正処置をとってきたとは思えない。関係する認証機関は、上記の10年前の公約をどのように実行したのか、JABはそれをどのように管理したのかの説明責任があるのではないだろうか。
このページの先頭へ 詳しくは <sub66-01-12>

 11.  一連の品質不祥事に対して必要な認証機関の予防処置
  出尽くしたかに思えたISO9001認証組織の品質不祥事が8/31にまたもや新聞記事になった。電線大手のフジクラによる検査数値の改竄及び顧客との取り決めの品質検査の不履行であり、対象が73種類の製品で、不正が1987年から続き、一方で品質は問題ないとのことであるから、これまでの多くの不祥事と同様に不良製品ではなく検査活動不正である。ISO9001は適切な検査活動としての要件を8.1、8.6、8.7項に定めているから、この不正行為は認証審査での規定への不適合として摘発できる種類のものである。また、不正開始の1987年以来30年間、60回も認証審査を行ってきているから、抜取審査だから100%の不適合は検出できないという言い訳も通用しない。
   
  フジクラの認証審査が昨秋以降の一連の不祥事報道の最中に行われていたなら、組織が隠すのだから見つけようがないという言訳も通用しない。組織が隠してきた可能性は十分考えられるのだから、それに応じて審査をしたのかということになる。そもそも規格の内部監査でも「監査対象のプロセス及び領域の状態と重要性を考慮して監査プログラムを策定すること」と直接的表現(08年版8.2.2項)で規定されているように、不適合がありそうな領域を重点的に調査するというのが抜取方式の監査で不適合を確実に摘出するための監査活動の原則である。果して、昨年秋以降のフジクラ審査のためのチェックリストには、隠された或いは見落としてきたかもしれない検査と不良品の処理に関する規格不適合を絶対に見落とさないという覚悟でもって審査を計画しチェッククリストを用意し、審査したのだろうか。
 
  登録証は規格不適合のないことを保証する認証機関の製品であるから、不適合があるのを見落として発行された登録証は、見落としの理由如何によらずISO9001の表現では不適合アウトプット、不適合製品である。認証機関としての要件を定めるISO/IEC17021-1によると、一連の品質不詳事の報道を受けて認証機関は自身の審査でも起きる可能性のある見落としという認証活動の不適合を防止するために「予防処置」をとらなければならない。審査員がよく言う“横展開”である。一連の不祥事で他の認証機関により不適合が見落とされた原因を調査し、自らの審査では見落とすことのないよう、例えば監査体制或いは監査手順を変更しなければならない。
 
  このような予防処置を当たり前に行っておれば、本件品質不祥事を社会が期待するようにISO9001規格不適合として摘発でき、ISO9001認証制度の評価を大いに高めることができたのである。認証審査で審査員から「是正処置は行われているが予防処置が行われていない」とか「予防処置の方が大切」というようなお説教を審査員から聞かされた組織は少なくないが、お題目に過ぎなかったということか。
このページの先頭へ 詳しくは <sub66-01-11 >

 10.  JABが不正審査で認証授与した認証機関を認定停止処分に (新聞報道)
  7/23付け朝日新聞は、相次ぐ品質不祥事と関連するかの表現で、LRQA社が不正な審査で登録証を発行したことに対してJABが認定取消処分を行ったと報じた。JABは反応していないが、LRQA社は同日のウェブサイトで処分が記事のように不正審査がJABに見つかったからではなく、通常の定期的な認定審査における不適合指摘に基づくものであると発表した。認定停止処分に至ったのは初めてのようだが、認証審査と同様に認定審査で不適合指摘、認定一時停止処分、是正処置の報告、処分解除という事は珍しくない。
 
  認証組織の品質不祥事発生に対して、そのような組織に認証(登録証)を授与した認証機関の責任は一般論として問われないのが国際的常識である。とりわけJABは品質マネジメントシステムの認証制度の目的は組織が品質不祥事を出すことの防止ではなく、不祥事発生時に組織に速やかに再発防止対策をとらせることだと言っているから、JABが組織の品質不祥事に認証機関の認証審査の責任を追及することはあり得ない。記事は記者のISOマネジメントシステムの認証制度の枠組に係わる知識不足が原因の誤報の類である。
 
  認定停止処分に至る経緯に照らすと、このJABの認定停止処分は、品質不祥事に関連しないことはもちろん、認証(登録証)の有効性の確保のための認定機関としての権限行使でもなく、収入源の、且つ、従順な顧客の確保を目的とする認証業界全体を俯瞰した認定事業上の駆け引きであるとみることができる。
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 09.  品質データ 改ざん不祥事は認証機関の不祥事
  最近昨年11月28日の日経新聞は東レ子会社の品質データ改竄事件に関して“特別採用”という製造業の商習慣の悪用であると報じていた。すなわち、契約条件はずれの製品の顧客から特別採用の許可を得る代わりに品質データを改竄して合格に見せかけたということである。特別採用はISO9001も認めており、その条件として8.3項(不適合製品の管理)に3つの要件(手順書の確立、処置の実行、処置の記録)を規定している。 データ改竄はISO9001の特別採用の手順の不履行の結果であるから、社会的にはデータを改竄したという品質不祥事ではあるが、特別採用不履行という不適合組織に登録証が与えられたという認証制度の不祥事なのである。
  
 JABの決まりでは品質不祥事の発生に対して認証機関は臨時監査を行ない、原因となった不適合を見出して認証組織に是正処置をとらせることになっているが、本件では審査員が普通に審査をしておれば特別採用不履行を見つけ、データ改竄も見つけられていたはずである。従って、従来のように不祥事の原因が認証組織にあるという前提で行われる臨時審査で認証機関の責任との関係がどのように取り扱われるかが注目されてきた。しかし、当該認証機関のJQAはJABには一時停止処分に処したと報告しながら、自身のウェブサイトでは沈黙している。処分に対して組織から強い抵抗を受けているのかもしれない。
このページの先頭へ 詳しくは <sub66-01-09>

 08.  品質不祥事発生に対するJABや 認証機関の責任意識
  JABはウェブサイトに6/1付けで昨年末以来の一連の著名企業の品質不祥事に対する認証機関の対応、つまり、関係のある組織毎に認証の一時停止、一時停止解除、取消しという処置の現状について認証機関から受けた報告を一覧表にまとめ、認証機関のウェブサイトを覗くと、各組織に対して臨時審査で不適合が発見され、登録証を一時停止し是正処置を要求、是正処置を適切と判断して一時停止を解除、是正処置が不適切のため登録停止等が書かれている。その不適合がなぜ通常の審査で発見できなかったかはもちろん、是正処置の内容やその有効性の判断の基準など社会が知りたいことは何も説明されていない。JABや認証機関がこのような木で鼻をくくった説明で平然としているのは、認証とは組織が品質不祥事を起こさないことを保証するものではなく、品質不祥事発生時に迅速に処置をとらせることを保証するものと考えているからである。
 
  しかし、JABは今年3月のシンポジウム*3の基調講演の形で、近年の登録件数の減少傾向に鑑みて「登録証が信頼され活用されていない」のは認証組織も品質不祥事を発生させるからであり、認証が不祥事を出さない組織であることの保証でなければならないとの考えを明確にした。にもかかわらずこのシンポジウムの後もJABウェブサイトの「万が一のことが起こっても、迅速で的確な対応でお客さまへの影響を最小限にくい止めることができます」という認証の価値に関する記述は変わらず、冒頭の品質不祥事対応も従来と同じである。JABの認識では「認証制度は社会制度」であり、組織の社会での存続には登録証取得が不可欠であり認証の需要は永遠であり、組織にとっての効用や社会からの信頼などどうでもいい問題と勘違いしているのである。

このページの先頭へ 詳しくは <sub66-01-08>

 07.  審査料金値引き規制、審査料金の消費者負担、審査簡易な新認証制度という妄想 
  H30.3.20の第6回JABマネジメントシステム シンポジウム予稿集を入手した。これによると、TC176国内委員会副委員長 山田 秀氏による「マネジメントシステムの第三者認証制度が目指すべき姿」と題する基調講演では、目指すべきは、顧客による商品購入先の選択など認証の有無によって社会がその行動を変える状況が「社会から信頼され、活用される認証制度」であることを明確にし、2015年版規格がこのために十分な内容になったと評価し、3つの取組みを提言している。
 
  この内の2つは、これまでの認証業界関係者の問題分析と対応策の提言と同様、責任と取組みを組織と審査員に押し付けるだけの権威主義的唯我独尊の提案であり、3つ目は社会からの信頼性向上と無関係にひたすら認証組織の収益性向上のための登録組織数の増加を図る、標題のような制度改革である。
 
  結局、提言は、認証制度は社会制度であってその活用の拡がりたる登録件数の増加がすなわち社会の利益になるという唯我独尊の妄想に業界首脳部が今日なおどっぷりと浸っていることを映し出している。
このページの先頭へ 詳しくは <sub66-01-07>

 06.  ISO9001 2015年版では品質マニュアル は必要  (その2. 審査指摘のさじ加減) 
  前報(その1. 規格解釈変更の無責任)のように、JACBの発表した新解釈では「品質マニュアル」の内容を「品質方針文書」として文書化することが規格の意図であり、08年版でもそうであったとされている。そして、15年版の「品質方針文書」は、1章(適用範囲)のa)項の「顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たした製品及びサービスを一貫して提供する能力を持つことを実証する」ような内容でなければならないとする一方、当面の審査では08年版と同種の「品質マニュアル」や「品質方針文書」を見せられても「不適合」とはせず、「改善の機会」に留めるように審査員に求めている。
 
  そもそも認証制度の枠組みにおいて審査基準を決めるのは審査員の権限ではなく、とりわけ、認証制度の目的、或いは、「組織の顧客のため」という認証機関の主張に照らして不当な、このような恣意的でお為ごかしの審査基準に基づき審査を行うというJACBの発表は驚きである。このような新審査基準を打ち出した策略までもがインターネットで堂々披瀝されていることは信じられない。認証審査の枠組みの中で自らを不可侵の存在として組織や社会に対している審査員の腹の中がよく見えるだけでなく、見られても平気というJACBの無神経ぶりの背後に潜む権威主義の頑強さまで晒しているからである。
このページの先頭へ 詳しくは <sub66-01-06>

 05.  ISO9001 2015年版では品質マニュアル は必要  (その1. 規格解釈変更の無責任) 
   認証機関の集まりであるJACBの技術委員会はそのウェブサイトに「品質マニュアルの行方」と題する論文を発表し、15年版で品質マニュアル作成の規定が無くなったことに関連して、「品質マニュアル」の内容を「品質方針文書」として文書化することが必要、及び、08年版でもそうであったという新規格解釈を明らかにした。
 
  論文を読むに、この新解釈は、規定や用語の文字面を繋ぎ合わせただけの論拠に拠り、規格の意図や論理における「品質方針文書」と「品質マニュアル」との内容、性格、機能の分担を見抜き得ていない結果である。認証機関がその権威を以て、このような珍妙で誤った新解釈の受け入れを組織に迫るのなら、新解釈に照らして規格の意図ではないと断じるこれまでの「品質マニュアル」の存在を認め、その記述に係わる様々な是正指摘を行ってきた認証機関の責任を明確にしなければならない。認証機関には新解釈の背景にある過去の審査に関する「説明責任」を果すべきではないか。
このページの先頭へ 詳しくは <sub66-01-05>

 04.  品質保証か顧客満足か
  最近JAB会長飯塚悦功氏は主催する講演会挨拶の中で、「品質保証」の概念がISO9001規格と日本の品質経営では基本的に違いがあり、日本では①製品・サービスの顧客満足を確実にすることであるが、規格では②不良品を出さないようにすることだと主張している。認証制度の運用責任者たる同氏が、間違った事実認識を以てISO9001と認証の価値を貶めることにしかならない主張をすることは驚きでしかない。
 
  「製品の品質保証に加えて顧客満足の向上をも目指そうとしている」との00年版前書きを持ち出すまでもなく、規格の目的が不良品の防止から顧客満足の追求に変わったことは認証関係者の常識である。従って、これは、「ISO9001の限界」や「TQCのある日本にはISO9001認証制度は不要」という同氏の持論を述べるための、誤った解釈の意図した表明として、まともに取り合わない方がよい。それにしても思うままの規格解釈の披露である。
このページの先頭へ 詳しくは <sub66-01-04>

 03.  驚愕の「顧客満足」新見解
 日本では、ISO9001は日本のTQCの欧米版としての不良をなくするための品質改善活動の規格とみなされ、品質目標は製品品質の改善活動の目標であり、これへの取組みが認証審査の重要なポイントである。一方で、「顧客満足」は、顧客の要求を満たすことだとされ、顧客要求をかろうじて達成した状態でよいとされ、認証審査ではほとんど重視されない。
  
 しかし、最近入手した講演資料の中でJAB理事長飯塚悦功氏は、これとは全く異なる驚愕の新規格解釈を披露している。すなわち、例えば、「品質マネジメント」は「品質経営」であり、その目的は「顧客満足の追求、持続的顧客価値の提供」であり、その意図した結果は「顧客満足の実現、その結果としての売上増、利益向上」である。
 
 これら新見解は、失礼ながら規格の意図の通りであって正しい。しかし、これは同氏がこれまでリードしてきた上記の規格解釈の根本からの変更であり、日本の規格取組みを根底から揺さぶるものである。同氏には、この驚愕の心変わりに対する説明責任が求められる。 
詳しくは <sub66-01-03>
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