ISO9001/ISO14001
コンサルティング・研修

  規格要求事項の解釈実務の視点 
このページでは、ISOマネジメントシステム規格(ISO9001/ISO14001)の要求事項を
実務の視点 で読み解き、解説します。
目  次
ISO9001
2008年版(追補)
改訂の要点
英語で読み解くISO9000/14000
要求事項 自問自答
やっぱり変だ
審査の視点
!
正論・異論・珍説
総まとめ
実務の視点によるISO9001:2000
の解説
システム運用
の実務

-定説の誤謬-
ISO14001
2004年版 改定
の要点
ISO9001
2000年版改定
の要点

今後の予定
(ISO9001/14001)
★ 管理責任者はシステムを管理するスタッフのことか?
★ システム教育、マニュアル教育は要求事項か?
★ マニュアル記載事項への違反はすべて審査の不適合か?
★ 是正処置とは根本原因対策のことか? 

(ISO9001:2000)
★ 品質保証体系図(プロセスマップ)は要求事項か?
★ 顧客満足は、優・良・可の可で良いのか?
★ 製品の改善は要求事項ではないのか?
★ アンケートは顧客満足の監視になるか?
★ コスト削減は品質目標か? 

(ISO14001)
★ 環境側面は 漏れなく 抽出しなければならないか?
★ 環境取り組みは全員参加でなければならないか?
★ 環境パフォーマンスの改善は要求事項でないのか?

ISO9001
海外の公的機関による
解釈
TC176はじめ
各国のTC176加盟機関による
規格解釈
    こちら
要求事項 自問自答  やっぱり変だ 審査の視点 ! 
 規格解釈の多くが、審査合格のための観点で行われ、要求事項毎に目に見える何らかの"対応"を説いています。このため、時には、規格の意図と関係のない、また、組織の実務に何の役にも立たない、形ばかりの"対応処置"までもが、"規格の要求”であると説明されたりもしています。
 要求事項が組織の実務に”必要な事項”を規定するものである、という
実務の視点から、規格の論理に則って、審査の視点による解釈の問題点を指摘します。
目 次
(ISO9001/14001)
  統合マネジメントシステムは規格の意図か?組織の利益か?
   
(ISO9001)
  .インフラストラクチャーの明確化とは 設備リストの作成のことか?
  .必要な力量の明確化とは職務明細の作成のことか?

  .検査員、内部監査員は資格認定が必要か?
  .
供給者再評価の目的は購買先リストの更新か?
  .アウトソースと購買は違うのか?
 
(ISO14001)
  .環境影響の生じる可能性のある作業と原因となりうる作業は
        区別しなければならないか?


.インフラストラクチャー の明確化とは 設備リストの作成のことか?
       (ISO9001:2000  6.3項)
<審査の視点>
JISQ9001の6.3項「インフラストラクチャー」の規定に関して、設備リストの作成が必要であり、設備保全の手順や記録が必要と解釈されている。
 
<自問>
6章の標題から6.3項は「インフラストラクチャーの運用管理」である。これはどういうことか。
必要なインフラストラクチャーを「明確にする」「提供する」「維持する」とはどういう意味か。
7.5.1 c)項の「適切な設備の使用」は、6.3項の「維持する」とどう違うのか。
 
<考察>
<資源の運用管理>
標題「資源の運用管理」の原英語は、resource management であるから、「資源マネジメント」のことである。
「資源に関して組織を指揮、管理する体系的活動*」であり、「方針及び目標を定め、それを達成する*」PDCAの活動である。
マネジメントの対象は、品質マネジメントシステムの効果的な運用と顧客満足の向上のために必要なインフラストラクチャーである。
 
<必要なインフラストラクチャーを明確にする>
「明確にする」の原英語は determine であり、これには代替策や可能性の中から選んで確定する又は決定する 等々、「決定する」の意味であって、不明確なものを「明確にする」、文書に書いて「明確にする」の意味ではない。
組織は顧客満足向上を図るように顧客要求事項、を決定し(5.2)、これを元に具体的な製品要求事項を決定(7.2.1)して、それへの「適合性の達成」のため(6.3)にはどのようなインフラストラクチャーが必要なのかを検討し「決定する」ことが必要である。
この決定はマネジメントレビューでトップマネジメントの改めての評価に委ねられ、「資源の必要性の決定及び処置」(5.6.3 c))となる。
「明確にする」とは、現在使用している設備などインフラストラクチャーを一覧表に書いて「明らかにする」ことではない。
 
<必要なインフラストラクチャーを提供し、維持する>
「提供する(provide)は「使用できる状態にする」であり、「維持する(maintain)」は規格では「使い続ける」で、計画を達成できるように管理することも含む。
どのようなインフラストラクチャーが必要かを判断し決定した組織は、それを購入するなどして使用できるようにし、かつ、必要な性能を保つための保全の活動と共に実際に使用し続けなければならない。
保全の記録については規格は何も要求事項を定めていない。
 
<インフラストラクチャーのマネジメントのPDCAサイクル>
「明確にする」がP、「提供する」がD、「維持する」がCであり、これらとAに相当するマネジメントレビューと合わせて インフラストラクチャーのマネジメントのPDCAサイクルが構成される。
 
<設備の保全>
7.5.1 c)項の「適切な設備の使用」は保全の管理の意味ではなく、使用目的に合った設備かどうか( suitable)の問題である。
94年版では 4.9(工程管理)に「適切な設備の使用」と共に「設備の適切な保全」の規定があったが、2000年版では資源マネジメントの「維持」の一環として 6.3項に規定されている。
 
<自答>
6.3項はインフラストラクチャーのマネジメントに関する規定である。
それは、顧客満足を図るために必要と判断した製品の品質を造り込むこむため、必要なインフラストラクチャーを決定し、使用できるようにして実際に使用し、製品の製造、使用結果を評価して新たなインフラストラクチャーの必要性を決定するというPDCAの活動である。。
インフラストラクチャーの必要を誰がどのように評価、判断し、組織の決定に繋げるのか、責任や仕組みを確立することが最も大切である。
設備リストは「維持」の活動に有用かもしれないが、規格の要求事項を満たすものではない。
このページの先頭へ 詳しくは<33-01-07>

.「必要な力量の明確化」とは、職務明細の作成のことか
                                      (ISO9001 6.2.2 a))
<審査の視点>
ISO9001 2000年版では 「力量」の概念が持ち込まれ、「要員に必要な力量を明確にすること」との要求事項が定められている。
この要求事項については、「各人の業務遂行のためにどのような力量が必要であるかを明らかにすること」であるとの解釈が広まっている。
多くの組織で、作業や職場毎の"職務明細"、ないし、要素作業明細を表に表し、各要員について、列挙された要素作業毎に力量の水準を3〜5段階に格付けしている。

<自問: 疑問>
規格の「力量を明確にする」とは、 "どのような力量かあるかを明らかにする" という意味か?
力量は、職務明細的にその要素作業にまで分割して詳細に表現しなくてはならないのか?
力量には、"水準"があるのか?
必要な力量」「力量を明確にする」とは規格の文脈において何を意味するのか?
そもそも、6.2章に関する規格の意図は何なのだろうか?
<自問: 関連する疑問>
原英文ではどのような表現となっているか?
94年版の4.18項(教育・訓練)と何が変わったのか?

< 力量 とは >                               (関連情報はこちら)
力量とは、組織内のそれぞれの業務についての業務遂行能力のこと。
力量があるかどうかは、学校教育の専門性、組織で行なった教育訓練、特別な技能、職務経験によって判断される。

<考察: 英原文についての検討>
「明確にする」とは「明らかにする」ではなく、「決定する」こと。
「要員に必要な」とは、「組織、あるいは、その職場に必要な」の意。
「要員に必要な力量を明確にする」とは、「組織、あるいは、その職場に不足の力量にどのようなものがあるかを検討し、決定する」こと。
<考察: 94年版と2000年版の要求事項の違いについての検討>
94年版と2000年版の要求事項の違いは日本語では 94年版の「教育・訓練のニーズ(training needs)」が2000年版では「必要な力量(necessary competence)」に置き換わり、「明確にする」の英原語が、「identify」から「determine」に変わっただけ。
「必要な力量を明確にする」とは、「力量ニーズを決定する」ことであり、換言すると「不足する力量を見極める」ことである。
94年版の「教育訓練ニーズ」は、2000年版の「力量のニーズ」とは同じ意図を別の角度から表現されたものであり、実質的に同じ要求事項。
<考察: 規格の論理に基づく検討>
「必要な力量」とは、組織の事業の遂行のために "必要な"力量のこと。
6.2章 は、必要な力量に係わる人々を確保することに関して組織を指揮、管理する"人的資源のマネジメント"についての規定。
「必要な力量を明確にする」とは、このような"人的資源マネジメント"のPDCAの一環のAに相当する活動である。
6.2.2 a)項は、マネジメントレビューでの「資源の必要性」についての「決定と処置」と繋がる要求事項。

<自答:  「要員に必要な力量を明確にする」とは>
「力量」とは、組織内のそれぞれの業務についての業務遂行能力のこと。
要員に必要な力量」とは、事業の遂行のために組織、あるいは、その職場に "必要な”力量のこと。
これを「明確にする」とは、事業の遂行のためにどのような力量が必要か、何が不足しているかを評価して見極め、決定すること。
<自答:  人的資源マネジメント>
6.2章は、組織に必要な業務遂行能力をもった要員を確保するための「人的資源マネジメント」の規定。
「要員に必要な力量を明確にする」とはこの一環の活動であり、そのPDCAのAに相当する。
このページの先頭へ 詳しくは<sub33-01-06>

.統合マネジメントシステムは規格の意図か? 組織の利益か?
                                     (ISO9001/ISO14001)
<審査の視点>
最近、"統合マネジメントシステム"に関する発表、報告が雑誌やウェブサイトを賑わし、審査機関も、審査費用低減を掲げた"統合審査"を広報している。
これは、ISO9001とISO14001の両シマネジメントシステムをひとつのマネジメントシステムに"統合"することを謳い、両規格のマネジメントシステムを認証取得した組織のシステム運用負荷の軽減が目的とされている。
しかし、説かれる"統合"の実体は、両マネジメントシステムに共通の文書をひとつにするという"結合"である。
<自  問>
"統合マネジメントシステム"は、規格や規格作成者の意図か。
"統合マネジメントシステム"は、組織の現実の実務に適うのか。
"統合マネジメントシステム"や"統合マニュアル”は組織の実務上、利益があるのか。
<考  察 : マネジメントシステムとは何か>
マネジメントは、組織を運営管理する活動のこと
マネジメントシステムとは、組織を運営管理するための業務(プロセス)の体系のこと。
規格ではマネジメントシステムを、運営管理のプロセスの有機的集合体、あるいは、必要な要素の有機的集合体として捉えている。
<考  察 : 全体マネジメントシステムと個別マネジメントシステム>
どの組織にもマネジメントシステムが存在する。
規格は組織の全体のマネジメントシステムのことを全体マネジメントシステムと呼ぶ。
ISO9001,ISO14001の両マネジメントシステムは、全体マネジメントシステムの一部であり、"品質"、"環境"という特定の目的、観点で組織を運営管理するための個別マネジメントシステムである。
<考  察 : システムを"統合"することの意味>
規格用語の"統合"は integrate であり、一体化、あるいは、融合することの意。
規格の意図における"統合(integrate)"は、ISO9001,ISO14001両マネジメントシステムを全体マネジメントシステムと一体化・融合させること。
<考  察 : "統合"されたシステム>
実際の業務は個別マネジメントシステム横断的、包括的に行なわれている。つまり、マネジメントは実際上、"統合"されている。
規格の概念における"統合された状態"とは、各個別マネジメントシステムがそれぞれに必要な全体マネジメントシステムの要素を全体マネジメントシステムと共有し、渾然一体となっていること。
マニュアルの意義は、渾然一体となっている全体マネジメントシステムから必要な要素とそれらの相互作用を抜き出して、特定のマネジメントシステムを浮かび上がらせること。
<自  答>
規格はISO9001、ISO14001の各マネジメントシステムを既存の全体マネジメントシステムと一体化・融合することを意図している。
両マネジメントシステムを全体マネジメントシステムから独立したまま結合してひとつのマネジメントシステムにする"統合マネジメントシステム"は、規格の意図には存在しない。
異質で担い手も異なるISO9001、ISO14001のマネジメントシステムをひとつのマネジメントシステムにして実務上の利益が得られるとは考えられない。
そもそも問題は、ISO9001,ISO14001の各マネジメントシステムを全体マネジメントシステムと独立したものとして構築したことにある。
"統合マニュアル"は、実務的に利用の必要は乏しい。統合審査の受審用として割り切るとよいかも。
このページの先頭へ 詳しくは<33-01-05>

.影響を生じる"可能性のある"作業 と 原因と
                    "なりうる"作業との区別が必要か?
              (ISO14001; 4.4.2)
<審査の視点>
★ 環境影響を生じる可能性のある作業と環境影響の原因となる作業は区別しなければならない。
★ 前者の作業の要員には訓練を受けさせ、後者の要員は訓練により特別な専門性や公的資格をもたせなければならない。
<自  問>
★ "可能性のある"と"なりうる"との境界線はどこに引けばよいのか?
★ 専門性習得など能力向上と関係ない,ただの訓練とは何か?
★ 解釈の根拠とされる "may"と"can"の使い分けは正しい英語解釈か?
★ 規格の「能力がある」「訓練」の意味、規格の意図は何か?
<考  察>
★ "may"と"can" の英語の用法・・起きる可能性の程度の違いを現すものではない
★ "may"と"can" の規格の用法・・"may"は"可能性がある"には使わない
★ 規格の取扱う"環境影響"とその分類 ・・「もつ(have)」と「もちうる(can have)」の2分類。"may"と"can"ではない。
★ 規格 4.4.2項の文章構造・・3つの節は内容的に同格でない
★ 「能力がある」の英語解釈・・”優秀”ではなく、その仕事ができることの意
★ 規格における「訓練」の意義・・訓練により要員を「能力がある」状態にする
<自  答>
★ 規格は「可能性のある(may)」と「なりうる(can)」の2種類の環境影響を想定している訳ではない。 "may"と"can"、"work"と"tasks"と異なった単語が使われていることにも特別な意味はない。
★ "可能性のある"と"なりうる"は、どちらも「環境マネジメントシステムに関係する」という意味に過ぎない。
★ 規格の「能力がある」とは優秀かどうかでなく、要員が担当する仕事を遂行することができるかどうか、その仕事にふさわしいかどうかの意味である。
★ 規格は 4.4.2項の第1節で、環境マネジメントシステムに関係するすべての要員に、その仕事を遂行するための知識、技能など必要な力を持たせ、かつ、組織の活動に対するその仕事の大切さを自覚させるために、教育訓練を受けさせるべきことを規定している。
★ そして、第2節で要員が自覚すべき事項を規定し、第3節で要員が「能力がある」かどうかの判断基準を規定している。
★ 「能力がある」かどうかは、学校教育履修状況や職務経験と共に組織内の教育訓練による必要な力の習得の実績で判断せよ、というのが第3節の趣旨である。
このページの先頭へ 詳しくは<33-01-04>

.検査員、内部監査員は資格認定が必要か?
            (ISO9001,2,3:1994/ISO9001:2000)
<自 問>
検査員、内部監査員は資格認定が必要か? 
  94年版のほとんどの組織で、試験、検査員と内部監査員に対して、また、機器の校正員に対しても、資格認定の仕組みを定め、運用している。システム構築の多くの解説書も、これを求めていた。 2000年版では、資格認定の要求事項は存在しないが、仕組みをそのまま継承している組織がほとんどである。 これらの要員に対する資格認定の必要性は、94年版規格のどこに規定されているのだろうか?
関連する疑問
 
2000年版では、「有資格者」「資格認定」という言葉が消え、「力量」という用語が使われているが、これと「資格」とはどう違うのだろうか?
<考 察>
★「有資格者」が実行しなければならない業務
 「有資格者」が必要と規定されているのは、4.4.2 項の「
設計及び開発の活動は、(中略)有資格者に割り当てること」と、4.9 項の「その工程(いわゆる特殊工程のこと:筆者註釈)は有資格者が作業を実行すること」の2ケ所だけである。
「有資格者」を窺わせる要求事項
 
多くの解説書が、94年版の 4.1.2.2 項(経営資源)への対応として、検査員、内部監査員に対する教育訓練を挙げている。また、4.17 項(内部品質監査)の 参考21の「監査に対する指針はISO10011に規定されている」との記述を基に内部監査要員の教育訓練や資格について強調する解説書もある。

★ 検査員、内部監査員に対する資格認定の根拠
 
恐らくは、"審査の視点"がもたらした 4.1.2.2 項、及び、4.17 項(参考21)の拡大解釈の結果であろう。
経営資源の提供(4.1.2.2項)を根拠とする解釈の問題点

品質システムの効果的に実施のための資源の規定であり、検査員、内部監査員の資格認定だけで効果的実施ができるとは考えられない。
* 「訓練された要員」が資格認定なら、英原文の正しい解釈からは、すべての要員に資格認定が必要となる
★ 資格認定(94年版)から、力量(2000年版)
* 94年版の教育・訓練の目的は力量をもたせることだった。
力量の実証は、94年版では2種の業務だけだったが、2000年版ではすべての業務に必要となった。
* 2000年版の力量の規定は、形式主義の排除が目的
<自 答>
★ 検査員、内部監査員、校正員の資格認定は、要求事項ではない
 94年版規格で資格認定が必要なのは、設計開発と特殊工程のみで、検査員や内部監査員、校正員に対する資格認定の要求事項は存在しない。この拡大解釈の結果、多くの組織で役にたたないペーパーワークが強制されてきた。

★ 資格認定の効果的利用方法
 資格認定とは、公的資格や免許証と同じく、「力量がある」ことを当事者外に証明する手段として使うことができる。本来業務と関係のない内部監査について、誰がその力量を有するかを資格認定で明確にするのも、力量管理の手段としては適切であろう。
このページの先頭へ 詳しくは<33-01-03>

.供給者再評価の目的は購買先リストの更新か?                                                  (ISO9001:2000)  
<自 問> 
 ISO9001の購買(7.4項)では、供給者の選定、評価及び再評価が規定されている。再評価は94年版には明示されなかった要求事項であるが、どんなことであろうか。
 多くの解説文では、「評価表」に基づく採点、合格した供給者のリスト作成、リスト記載供給者に限った発注、及び、「再評価表」による採点と不合格供給者との取引停止、等の対応を求めている。
 しかし実務上は何をどこに発注するかは決まっているので、実際に購買伝票を切るときにこの供給者リストを参照するのだろうか? 再評価で供給者を排除した例は存在するのか? 評価の目的が実質的にリストの更新、再承認になっているのではないか?
 規格は評価、再評価で何を意図しているのだろうか。
<考 察> 
規格の7.4項(購買)の規定の意図は何か?
評価とは何か? 
評価再評価の目的は何か?
購買管理とは何をすることか?
供給者選定は実際にはどのように行われているか?  
<自 答> 
規格の購買管理は、購買品に関する不適合をゼロにするための活動である。
この購買管理のために規格は、次の3点の基本要素を定めている。
 a) 購買品についての組織のニーズ、期待を明確にし、供給者に伝えること。この購買情報には必要に応じて供給者に期待するプロセスの実行、管理の条件を含めること(7.4.2項)。
 b) 能力のある供給者から購買すること(7.4.1項)。
 c) 提供された購買品の適合性を確実にすること(7.4.3項)。
これによって、購買管理が購買製品自身の管理と供給者の管理との2種から成ることを明確にしている。
供給者の再評価は、上記 b)のための管理のPDCAのCの手段である。
再評価は、定期的に供給者の実績、実態に基づいて行うことが効果的である。
再評価の結果は、問題ある供給者には改善を求めるなど、供給者の適合品提供能力の継続的改善に資するように用いることが規格の意図である。 
このページの先頭へ 詳しくは<33-01-02>

.アウトソースと購買は違うのか ?    (ISO9001:2000)
<自 問> 
 ISO9001:2000では、4.1項で「アウトソースしたプロセスを管理すること」との要求事項が規定されている。[アウトソース」は新しい用語であり、7.4項の購買とは異なるものなのか? 7.4項の購買とは異なる概念であるとし、あるいは、購買とは異なる管理が要求されていると主張する解説が少なくない。
  また、94年版の「下請負契約」や、よく使われる「外注」「外部委託」とは同じか?、違うか?
 

<考 察> 
 
次の事項を検討してみることが必要と考えられる。
規格で用いられている購買に関する用語、及び、94年版から2000年版への変化
事業用語としての「アウトソース」の意味、または、実務での使われ方
2000年版規格における「アウトソース」の定義、及び、用法

<自 答>
 
事業用語としての outsource(アウトソース)は比較的新しい概念であり用語であるが、今日では subcontract(下請契約)とほとんど同義語となっており、一般には、外注、外部委託などサービス(役務)の購買に対して使われている。
規格の用語の指針に「subcontract と outsource は同じ意味」と明記されており、定義から 94年版の「下請契約者」と2000年版の「供給者」は共に「製品を提供する組織、人」のことである。規格上も「アウトソース」と「購買」は同じである。
物品、サービスの調達の事業取引を、契約の観点から見ると「供給者」は下請負契約者」であり、 これを外部戦力の活用行為と見ると、プロセスを「アウトソース」したということになる。 販売/購入活動と見ると組織の行為は物品、サービスの「購買」であり、見方を変えると物品製造プロセス、サービス提供プロセスの「購買」である。すなわち、事業取引に対する見方の違いに基づく表現の違いだけに過ぎない。アウトソースも下請負も物品・サービスの供給も購買も同じことである。また、外注、業務委託も同じことを意味している。
アウトソースも購買だから、7.4項の要求事項を満たさなければならない。
4.1項の規定は、プロセスや製品を外部委託したからといって適用除外を主張できないということを強調したものであろう。

このページの先頭へ 詳しくは<330101>,   関連情報こちら<sub51-33>

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