2000年版要求事項構成の特徴
2000年版要求事項は、図のように、2つのPDCAサイクルとそれら運用を支援する事項で構成されていると考えられる。このことのよって、改定の要点を次のように明確に捉えることができる。
内側のPDCAは、事業活動たる製品実現のPDCAであり、1994年版の要求事項の主体であった不適合製品出荷防止のPDCAにほぼ対応する。しかし2000年版では、出荷した製品が契約条件に適合しているだけでは不十分で、顧客の期待とニーズ に合致していなければならないから、どのような製品をつくるのかは、契約ではなく組織自体が決めなければならない。「製品関連要求事項の決定」(7.2.1)がPDCAの"A"であり、「顧客満足の監視」(8.2.1)が"C"である。 これらが1994年版との本質的な違いを示す新要求事項である。
外側が、マネジメント(運営管理活動)のPDCAである。この要素の多くは1994年版でも規定されていたが、2000年版では繋がった一連の活動として実行されることが要求されることになった。改定のもうひとつの本質である。このサイクルは、運営管理活動が「方針及び目標を定め、その目標を達成する」活動であることを示している。また、規格 8.5.1項(継続的改善)の規定は、この外側のPDCAをそのまま表現したものであるから、外側は継続的改善のPDCAでもある。要求事項は、実際の運営管理活動の普遍的方法論と目的を反映したものである。
これら2つのPDCAを効果的に廻すために、経営者の運営管理活動への直接、間接的関与の責任が明確に規定されることとなり、システム運用の担い手の人々と必要な施設、設備に対する要求事項が新設、強化された。 |